2016.07.07 Thursday

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    2016.07.07 Thursday 11:07

    喉のダム

    喉に抱え込むあれこれに反比例して
    君と慈しんだティータイムが遠ざかった
    ひとりきりでクラッカーを咀嚼しながら
    喉が嗄れるほど噎せていた
    喉の奥の水溜まりはきっと
    幼子が遊んでくれるようなものじゃなく
    だれもが顔を顰めて避けていくものだから
    吐き出さなくちゃ

    喉の奥の水溜まり
    吐き出さなくちゃいけないのに
    ナルキッソスが自らを映すこともできず
    虹が輝かないほど濁っているものだから
    閉じ込めなくちゃ

    喉の奥の水溜まり
    閉じ込めなくちゃいけないのに
    窒息死を受け入れるような逞しさはなく
    流されていくやわらかさもないものだから
    吐き出さなくちゃ

    喉に抱え込むあれこれを誤魔化して
    ひとりきりのティータイムを繰り返した
    ペトリコールを消すために香る紅茶を選び
    喉に染みるほど飲んでいた
    僕の喉の奥の水溜まりに
    君と飲んだ紅茶は一滴も残されておらず
    今日のような淀んだ雨が溜まっただけだから
    閉じ込めなくちゃ

    .

    2016.07.07 Thursday 11:05

    ネオンのアイロニー

    ペトリコールに噎せる君が揺れて、揺れて

    閉まったシャッターにもたれながら
    ふたりで眺めていた蛍の写真集
    向かいのコンビニから出てきた
    僕と同じビニール傘のビジネスマン
    向かいのコンビニに入っていく
    僕らと変わらない年ほどのカップル
    コンビニは今日だって24時間営業
    僕らは蛍を見失うはずがなかった
    僕はページを捲り続けた

    君がネオンできらめく
    蛍みたいだと讃えたかった

    閉まったシャッターから離れて
    ふたりで共有したひとつの傘
    長いスカートを膝まで上げて
    ネオンに包まれた君はまるで夏の蛍
    長い髪を気怠げに掻き上げて
    ネオンを見上げた君はまるで夏の蛍
    長い雨を待つ気配で満ち満ちた街
    君は今日も傘を持っていなかった
    僕らは肩を寄せあった

    ペトリコールが薄れた街が濡れて、濡れて
    君の濡れ髪が今日も眩い
    君はネオンのせいだと笑う
    それでも君は蛍みたいだと
    僕は言った

    .

    2016.06.02 Thursday 23:42

    カーネリアンのバラ

    カーネリアンのバラを耳に咲かせて
    同じ色の腕時計の文字盤をたしかめた
    予報ではあと1時間もすれば土砂降りらしい
    雨の気配はない
    枯れてしまう

    明後日枯れてしまうなら
    試験管みたいな花器に押し込めてくれないで
    せめてリングケースにねじ込んで

    明日枯れてしまうなら
    シャンパングラスみたいな花器に放っておかないで
    どうかサラダ代わりに呑み込んで

    カーネリアンのバラはあるけれど
    とっておきの靴も履いてこればよかった
    今日も脇役で終わるただそれだけなのに
    暗転する気配はない 
    枯れてしまう

    枯れてしまうのか

    .

    2016.06.02 Thursday 00:19

    泣き上戸の自殺

    歌に倣おう
    最後に捨てるのは指輪にしよう
    最後まで酔ったまま

    彼は、それはそれは洒落た思い出の品を持っていて
    わたしは、うらやましくてしかたなかった
    紫陽花のポストカードなんて持っていないよ
    嘘くさい花の香りのオードトワレしかないよ

    彼が、それはそれは大事そうに捨てる行為に勤しむから
    わたしは、悲しくてたまらなくなった
    夜に思い出の品を捨てるなんて自傷行為と同じなのに
    記憶が散らかってさみしくなるって歌っているのに

    思い出の品を捨てていくたびに首に重りを下げたかのようになって
    わたしはそれでも猿真似を繰り返し続けてしまう
    泣き声だけは人間らしくありたかったのに
    声を出さずにしか泣けなくなったね

    最後まで酔っぱらっていた
    最後まで酔いのせいで泣いてしまっていた

    歌に倣った
    最後の最後に指輪を投げた
    最後まで酔い続け、恋に溺れて恋に死ぬ

    .

    2016.01.11 Monday 18:34

    終わらない23:59

    羊を数えていたのにあなたの夢を見るの
    羊が一匹、羊が二匹、三匹目は子羊
    子羊は柵を越えられない

    すきな夢がやってこないなら
    ひさしぶりにピアノを弾いて郷愁に浸るのもいい
    夜通しすきだった曲の演奏会の真似をするの
    お願いだからその夢を見せて
    お願いだからあなたはこないで

    羊が四匹、羊が五匹、六匹目は調理済
    夢のない夢という矛盾

    好まない夢の繰り返しなら
    ひさしぶりに彼女の詩集を一から読むのもいい
    夜通し憧れた詩を真似てお歌を歌うの
    お願いだからその夢を見せて
    お願いだから望み通りになって

    七匹目はたしか時計の中だった
    遠すぎる記憶を今さら辿るつもらもないけれど
    たしかめようと赤い時計をばらすのはやめよう
    わたしの時計は時を刻むことしかしないのだから
    だれのことも守るつもりはないのだから

    羊を数えていたのにあなたの夢を見るから
    わたしは最後まで羊を見送ることしかできなかった
    羊だってもうおやすみの時間なのに
    わたしだって柵の先へ消えたいのに

    羊が一匹、羊が二匹、羊が三匹
    羊が四匹、羊が五匹、羊が六匹、最後の一匹
    羊が雪になって溶ける春を見せて

    お願いだから眠らせて

    2015.12.26 Saturday 21:45

    レインストームのもと

    ずいぶん雷に鈍感になった
    こんな雨の夜、歌を歌って
    メイクを落とさずに寝転がって
    そろそろ気に入る傘がほしいと思った
    いつも特別になる前に壊れてしまうから

    こんなに風の強い夜に
    一度も目覚めない強靭な女の子が
    小雨が降ってきただけで泣いていた
    傘はだれかにあげてしまったんだそうだ
    自分よりかわいいらしい子にくれてやったそうだ

    いつの間にかレインストーム
    スカートがめくれてしまうよ
    そんな君はとても脆弱だよ
    もっと激しく泣いてごらん

    いつの間にかレインストーム
    関係も荒れ狂わされたよ
    こんな夜は歌も歌えないよ
    もっと雷に怯えてごらん

    “雷に鈍感なふりをし続けた”
    そんなふりをし続けたのと笑ってごらん
    レインストームは君のテーマソング

    いかしてる

    .

    2015.12.22 Tuesday 14:00

    白くない冬

    春だから緑色のセーターを着た
    お気に入りの真っ赤な口紅は譲らない
    「クリスマスカラー」と笑う遠いあなた

    春だから、すべてがおわり、すべてがはじまり
    クリスマスソングは押し入れにしまおう
    燃え尽きたわたしのキャンドル

    起きられないのは春眠暁を覚えず
    こたつにまるくなるのは猫がいなくなってしまったから
    雪は降っていないね、春だから

    春だからさよならに満たされたのに
    さよならだけでは満たされない
    春なのに咲いてくれない桜

    人恋しいのはやさしすぎた冬のせい
    指がかじかむのは過ぎた冬が追い縋っているから
    手をつなぎたいね、春だから

    春が冬を惜しむような雪を待っている
    桜も咲かないのに雪も降らない
    見誤っていることに気づいてはいた
    「春が恋しい」と笑う赤い唇

    2015.11.28 Saturday 17:27

    アナザー・アフター・フェスタ

    花火の生け捕りにつかれた頃に
    あの子の涙をやっと見た

    ここにいる誰かのために誰かが流すBGM
    この曲の次でもきっと誰かが愛を歌って
    僕らでない誰かに似合うハッピーエンドは
    もう花火に阻まれることはないさ
    そう、何を言っても伝わってしまう
    そう、何を言われても拾ってしまう
    そうだね、お別れだ

    傷のない花火でも幸いは生めない
    BGMのアイロニーと花火を落としながら
    なるべく同じテンポで童話を口ずさもう
    こんな夜にこんなことをするのは僕だけだ
    あんなラヴソング忘れられるって笑いながら
    こんな夜に泣けない僕のことも笑ったら
    あんまりに、わざとらしい

    祭りが終わったから帰ろう
    BGMはあの子の知らない曲にしよう
    そうしよう、さようなら

    2015.08.04 Tuesday 19:26

    01:09

    これまでの努力を悔やむほど
    ゆで卵の殻がするりと剥けた
    明日は卵サンドを食べたいな
    白い殻を集めて、白い袋に滑り込ませ
    塩と胡椒とマヨネーズはあったなと思う
    野菜がないのはご愛嬌

    この時間じゃスーパーマーケットは眠っているし
    コンビニエンスストアにそこまで期待してないし
    バナナをデザートにしてもいいけれど
    それよりプリンが食べたいし

    さっきまでの涙が嘘みたいに
    心が弾んでくるのを感じた
    昨日はちょっとついてなかったな
    白い朝日を望んで、白いカーテンを閉め
    今日は昨日か明日かを悩まぬようにしよう
    今このときは僕のもの

    この感じじゃ明日の僕はまたばかにされるし
    昨日の僕にだって今となっては打つ手はないし
    今日がんばればいいのだろうけど
    それより眠ってしまいたいし

    ぼろぼろになったゆで卵は
    今日の内に食べてしまえばいいんだけど
    ぼろぼろになったこの心は
    明日になっても慰められないんだろうな

    それでもまた朝が来ることを知っているよ
    乾ききった紙玉は明後日には回収されるよ
    まばたきの間に00:09から一時間過ぎたように
    明後日もすぐに僕を迎えに来るだろう

    今日はひとつのゆで卵を消費して
    明日はふたつのゆで卵を消費して
    歌いながら燃えるごみをまとめて眠ろう

    明日はもう、すぐそこだ


    [00:09]http://shibollli24h.jugem.jp/?eid=33これの前

    2015.08.04 Tuesday 18:32

    夢、目覚めのその間

    夏が近づいた
    わたしは自分のぬくもりも億劫で
    窓を開け放して眠ることにした

    ラベンダーが香るのを待っている
    暑さでますます眠れないでいる夜行性を
    ラベンダーの香りごと抱きしめてあげたい
    わたしは、ラベンダーが香るのを待っている

    夢が浮かんだ
    わたしはあなたに出会えぬままで
    母性を寝かしつけることにした

    ラベンダーが香るのを待っている
    嫌なことを思い出して吼える夜行性を
    ラベンダーの香りごと抱え込んでいたい
    わたしは、ラベンダーが香るのを待っている

    待って、待って、恋い焦がれて
    待たせて、待たせて、怯えさせて
    いい夢を見れたのはわたしひとり
    わたしは、ラベンダーが香らなくても生きられる
    けれども、ラベンダーが香るのを待っている

    夏が近づいた
    わたしはあなたを抱きしめたくて
    夢を見ながら空を飛ぶことにした

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